鳥羽水族館は飼育種類数日本一

2014年8月11日 撮影
コーラルリーフ・ダイビング - 鳥羽水族館
鳥羽水族館(三重県鳥羽市鳥羽3-3-6)は1955年(昭和30年)に開館し、12のゾーンに約1,200種類の生き物が飼育・展示されている日本屈指の水族館である。
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2階へ上がって入場すると、水量約800トンのサンゴ礁の水槽「コーラルリーフ・ダイビング」(Dコーナー)があらわれる。
入場券 - 鳥羽水族館
天井・正面・左右の四方をアクリルガラスで覆い、従来のドーム型トンネル方式の水槽のような歪みがなくサンゴ礁の海を体験することができる。
サンゴ礁は人工のものだが、世界最大という。

ダイオウグソクムシ

ダイオウグソクムシ - 鳥羽水族館
ダイオウグソクムシ - 鳥羽水族館
ニコニコ生放送で放映されて話題になったダイオウグソクムシは、2013年(平成25年)夏にオープンした「へんな生きもの研究所」にいる。
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ダイオウグソクムシ - 鳥羽水族館
入口には、ダイオウグソクムシが接客するかようなポスターが。
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ダイオウグソクムシの水槽は、入口を入ってすぐ左側の暗がりにある。深海200~1000メートルに棲んでいるため、水槽は真っ暗である。
この日はお尻を向けたままであった。それにしても、ピクリとも動かない。

2007年(平成19年)9月から飼育されていた体長29cmの「No.1」(1号たん)は長年の絶食で話題になったが、絶食6年目の2014年(平成26年)2月14日に死亡した。飼育開始時の体重は100g、死亡時は1060gと、絶食していたにもかかわらず体重は増えていた。

水族館が解剖したところ、胃は大量の液体で満たされており、長さ10μmほどの酵母様真菌が見つかった。これが絶食しても生きられる秘密なのか、研究段階である。
2016年(平成28年)2月12日、オスの通称「No.5」(脱皮前の体長約25センチ、体重1250グラム)が脱皮した。国内の水族館で脱皮が確認されたのは初めてという。
2月12日午前7時半から約7時間かけ、時々体をよじるようにして体の後半分の殻を脱いだ。前半分の脱皮がいつになるかは全く不明という。殻とともにカルシウムを捨てないよう、いったん体液に溶かし、先に脱皮した後ろ側にカルシウムを移し、その後、前半分を脱皮すると考えられるという。
残念ながら、前半分を脱皮することなく、4月1日に死亡が確認された。

へんな生きもの研究所

カワテブクロ - 鳥羽水族館
水槽の中に手袋が沈んでいるような、その名も「カワテブクロ」――こちらもニコニコ動画で人気の生き物で、その独特の形状から「ギリギリセーフ」とされている。
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56本足のタコ - 鳥羽水族館
こちらは、56本足のタコ。1964年(昭和39年)に採集された。
付け根の部分は普通のタコと同じ8本だが、途中で枝分かれして56本になっている。多足化する原因はまだわかっていない。
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カブトガニ

古代の海(Cコーナー)では、カブトガニが動いている姿を見ることができる。甲羅の中にヤドカリがいるのではないかと思わせるほど、よく動く。
カブトガニ - 鳥羽水族館
カブトガニはクモやサソリの仲間で、2億年前からほとんど形態が変わっていないことから、生きた化石と呼ばれている。
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オウムガイ

オウムガイ - 鳥羽水族館
オウムガイは、イカやタコの仲間(頭足類)で、その祖先(アンモナイトの近縁)は5億年前に誕生してからほとんど進化していないという、こちらも生きた化石である。
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殻の内部は細かい部屋に分かれており、そこに入っているガスと液体の比率を調節することで浮力を得ている。これは潜水艦と同じ原理で、ジュール・ヴェルヌは『海底二万里』に登場するネモ船長の潜水艦に英名ノーチラスを付けている。

ジュゴン

ジュゴン - 鳥羽水族館
人魚の海(Hコーナー)では、ジュゴンの「セレナ」を見ることができる。ジュゴンの飼育は大変難しく、国内では鳥羽水族館でしか見ることができない。

体長2.6メートル、体重380キロほどで、草食性だ。餌は、輸入した海草のアマモや国産ロメインレタスなど、1日約30キロ。とても人魚とは思えない大食感ぶりだ。
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1986年(昭和61年)10月、鳥羽水族館とフィリピン政府が共同でジュゴンの生息調査をした際、偶然見つかった個体で、推定生後6ヶ月。調査チームが保護し、人工授乳で育てた。

ジュゴンの飼育期間の世界記録は、31年5カ月間。鳥羽水族館で2011年(平成23年)に急死した「じゅんいち」が記録した。セレナはその記録に迫っている。

セイウチパフォーマンス笑

セイウチパフォーマンス笑 - 鳥羽水族館
水の回廊(Lコーナー)では、毎日2回、セイウチパフォーマンス笑(ショー)が催される。

体重800kgの2頭のセイウチが器用な芸を見せる。トレーナーのツッコミは関西風だ。
写真は、セイウチの“お座り”。
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アシカショー

アシカショー - 鳥羽水族館
反対側のパフォーマンススタジアム(Aコーナー)では、毎日4回、アシカショーが催される。

サッカーボールを器用に扱ったかと思うと、オルガンの演奏も。文武両道のアシカである。
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森の水辺

カエル - 鳥羽水族館
3階の森の水辺(Gコーナー)は、水辺に棲むカエル、カメ、ワニといった生き物が展示されている。

鳥羽水族館の通路全長は約1.5kmで、ともかく歩かされる。そのうえ順路がない。
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受賞歴

繁殖賞 - 鳥羽水族館
鳥羽水族館は繁殖に力を入れており、公益社団法人日本動物園水族館協会から数多くの繁殖賞を受賞している。

2014年(平成26年)には、スナメリの繁殖と人工保育が評価され、古賀賞を受賞した。
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郵便ポスト

郵便ポスト - 鳥羽水族館
館外の郵便ポストにはラッコが乗っている。

現在の鳥羽水族館は、1990年(平成2年)に新築・移転されたもので、旧館の4倍の広さになった。

1980年(昭和55年)に鳥羽水族館に入社し、水族館プロデューサーとしてサンシャイン国際水族館のリニューアルなども手掛けた中村元さんは、「同じ水族館でも、人によって満足できる場所は違い、好奇心の働く方向がまったく異なります。魚を見たい人もいれば、癒やされたい、涼みたいという人もいます。動物園と比べて、水族館を訪れる目的の選択肢は広いのではないでしょうか」と語る。
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ミキモト真珠島

ミキモト真珠島 @date@撮影
ミキモト真珠島(三重県鳥羽市鳥羽1-7-1)は、鳥羽水族館から見える鳥羽湾に浮かぶ面積2.3haの小島で、橋(パールブリッジ)で島へ歩いて渡ることができる。1893年(明治26年)に御木本幸吉 (みきもと こうきち) が、初めて真珠の養殖に成功した場所だ。
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ミキモト真珠島 @date@撮影
島内には真珠博物館や御木本幸吉記念館があり真珠工芸品が展示されている他、海女の実演が催される。年間25万人が訪れ、その1割は外国人観光客だ。
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参考書籍

表紙 水族館で珍に会う
著者 中村 元
出版社 KADOKAWA
サイズ 単行本
発売日 2013年01月10日頃
価格 1,320円(税込)
ISBN 9784047285293
不思議な生き物大集合。水族館だからこそ会うことのできる珍しい生き物。
 
表紙 みんなが知りたい水族館の疑問50
著者 中村元(水族館プロデューサー)
出版社 SBクリエイティブ
サイズ 新書
発売日 2007年07月
価格 1,047円(税込)
ISBN 9784797342338
水族館に遊びに行って、水槽が割れそうな気がしてちょっとだけ怖くなったり、エサ代はどのくらいかかるかと、疑問に思ったりしたことはありませんか。ひょっとしたら「どうやってイルカに芸を教えるの?」とお子さんに聞かれて困ったことのある人もいることでしょう。そこで3万人のWebアンケートから、知っていそうで知らない水族館の疑問を拾い出し、科学的視点で答えます。
 
表紙 水族館の通になる―年間3千万人を魅了する楽園の謎
著者 中村元(水族館プロデューサー)
出版社 祥伝社
サイズ 新書
発売日 2005年05月
価格 825円(税込)
ISBN 9784396110109
 
表紙 中村元の全国水族館ガイド115
著者 中村 元
出版社 長崎出版
サイズ 単行本
発売日 2012年08月
価格 2,200円(税込)
ISBN 9784860955045
水族館の魅力を語る決定版。全国115施設の見どころ、最新情報を紹介。
 
表紙 水族館に奇跡が起きる7つのヒミツ
著者 やきそばかおる/Collar出版
出版社 Collar出版
サイズ 単行本
発売日 2013年08月
価格 1,980円(税込)
ISBN 9784990637910
なぜ、奇想天外な展示が実現できる?なぜ、お客さんの満足度が高いのか?なぜ、地域まで活気付くのか?なぜ、頻繁にメディアに取り上げられる?…集客数15倍アップ7つのヒミツ。
 
表紙 鳥羽水族館館長のジョーク箱
著者 中村幸昭
出版社 第三文明社
サイズ 単行本
発売日 2002年09月08日頃
価格 1,320円(税込)
ISBN 9784476032444
 

交通アクセス

【鉄道】
  • JR・近鉄「鳥羽駅」から徒歩約10分
【自動車】
  • 伊勢自動車道「伊勢I.C.」から伊勢二見鳥羽ラインで15分、国道42号で30分
  • 伊良子から伊勢湾フェリーで約60分
行き方ナビ
出発地の最寄駅:

目的地:鳥羽水族館

近隣の情報

参考サイト

鳥羽水族館 関連
(この項おわり)
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