近藤淳也
近藤淳也 (こんどう・じゅんや) | ||
はてな社長 | ||
2008年2月21日 |
場面
日経産業新聞のインタビューに応えて――。
――1年半のシリコンバレー駐在で学んだことは。
「世界中から集まる優秀な人と資金をぐるぐる回して、とにかく新しいものを作っては壊すというシリコンバレーの『多産多死』モデルが、産業のぼっ興期には非常に有効だということ。ただ、このモデルはそろそろ終わりに近づいているような気もする。『オレはグーグルを超えるビジネスを作る』という人が減り、グーグルに買収されることがゴールに変わっている」
――日本のネット企業が競争力を発揮できる分野はあるのか。
「ネットビジネスの基本的な構成要素が出尽くせば、あとはその上のレイヤー(階層)で勝負するしかない。アイデア一つでトップに立つのが難しくなってきており、今後問われるのは一つ一つのサービスの完成度だ。その点、プロジェクト単位で離合集散を繰り返すシリコンバレー型のモデルより、一つの会社にじっくり腰をすえてしっかりと作り込むのが得意な日本企業の良さが生きてくると思う」
コメント
はてな創業者の近藤淳也さんは、2006年(平成18年)7月、アメリカ進出のためにシリコンバレーに現地子会社を設立した。それから1年半、2008年(平成20年)4月に創業地の京都に戻ってくる。現地では想像を絶する戦いがあったに違いない。
「へんな会社」を自負する「はてな」をもってしても、Googleには敵わなかったということだろうか。
それでも、気持ちでは負けていない――「しっかりと作り込むのが得意な日本企業の良さ」というのは良い表現だ。
事業を買収してもらうのがゴールではない。日本人は農耕民族だから、根気よく育てること――「育む」ことは得意中の得意である。
「へんな会社」を自負する「はてな」をもってしても、Googleには敵わなかったということだろうか。
それでも、気持ちでは負けていない――「しっかりと作り込むのが得意な日本企業の良さ」というのは良い表現だ。
事業を買収してもらうのがゴールではない。日本人は農耕民族だから、根気よく育てること――「育む」ことは得意中の得意である。
(この項おわり)