福井鉄道 F1000形の愛称は「FUKURAM」

定員は超低床電車として国内最大
福井鉄道 F1000形
2017年9月23日 田原町駅 撮影:こぱふぅ
福井鉄道 F1000形電車は、3車体連接・3台車方式の超低床電車で、FUKURAM (フクラム)  の愛称をもつ路面電車だ。
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福井鉄道 F1000形
2019年8月14日 福井駅停留場 撮影:こぱふぅ
全長27.2メートル、定員155名(座席定員53名)と、超低床電車としては国内最大を誇り、2014年(平成26年)の鉄道友の会ローレル賞を受賞した。オレンジ、ブルー、グリーン、さくら色に色分けされた4編成が在籍している。

2013年(平成25年)3月31日に営業運転を開始し、2016年(平成28年)から、えちぜん鉄道三国芦原線との相互直通運転(フェニックス田原町ライン)を行っている。えちぜん鉄道側は同じ超低床電車の L形が運行している。
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福井鉄道 F1000形
2024年8月12日 鷲塚針原駅 (わしずかはりばらえき)  写真:パパぱふぅ
F1002 は2015年(平成27年)2月に落成し、福井の海と空をブルーで表している。2024年(令和6年)3月より、モバイルファクトリー(東京・品川)とのコラボ企画で、位置情報連動型ゲーム「駅メモ!」シリーズのでんこ7体が「ふくいブランド大使」および各鉄道路線のふくいブランド大使に就任した。
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田原町駅から鷲塚針原駅 (わしずかはりばらえき) までの5.9km、7駅はえちぜん鉄道の区間で、同じホームに、鉄道線電車が停車する高床部分と、路面電車が停車する低床部分がある。
愛称の FUKURAM (フクラム)  は、福井の「FUKUI」と、路面電車「TRAM」を意味しており、全体で「夢や幸せがふくらむ」を表現しているという。

車体は耐久性と保守性を考慮して耐候性鋼板 (SPA) を使用し、屋根と床板にはステンレス鋼板、先頭部分はガラス繊維強化プラスチック (GRP) 製だ。
車軸のない左右独立の車輪4輪からなるボルスタレス式ボギー台車を使用することで、レールから車内床面までの高さは、出入り口付近で33cmと超低床になっている。
また、軸バネにゴムバネとコイルバネを併用し、ゴムを挟み込んだ弾性車輪を使用することで、乗り心地を向上させている。設計最高速度は70km/h。
福井鉄道 F1000形

福井鉄道とLRT化

1945年(昭和20年)8月、福武電気鉄道と鯖浦電気鉄道が合併し、福井鉄道が誕生した。1963年(昭和38年)5月、経営難から名古屋鉄道の資本下に入った。
その後も経営は苦しく、2007年(平成19年)9月、.自主再建を諦め、福井県と沿線3市に支援を要請した。紆余曲折はあったものの、2008年(平成20年)12月、名鉄が第三者割当増資を引き受けた上で、増資された1株を含む保有全株を沿線の経済界や市民が直接保有する従来例を見ない形に決着し、経営難から脱出した。

10年間で31億円あまりの費用をかけ、線路、電路、車両などを近代化した。2008年度に160万5千人だった旅客数は、2014年度には193万4千人へ増加した。
さらに2016年(平成28年)、えちぜん鉄道三国芦原線との相互直通運転(フェニックス田原町ライン)がはじまり、両社ともに旅客数が増えることとなった。

参考書籍

表紙 鉄道と政治
著者 佐藤 信之
出版社 中央公論新社
サイズ 新書
発売日 2021年04月20日頃
価格 1,034円(税込)
ISBN 9784121026408

参考サイト

(この項おわり)
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